翻《拾芥抄》的时候，看到“笛”里有“大水龙”、“小水龙”的名字，脑内突然有了“那不是村上先帝御时的笙么”的念头，还觉得是在《政事要略》里看过，结果翻了半天都没有——最后发现是《江谈抄》里，确实就是笛，我大概是脑子错乱了。

为了弥补歉意，把《江谈抄》里名物的部分敲下来了。

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名物。

被命云、高名物等被知[哉]如何。

 

笛。

大水龍 小水龍 青竹 葉二 柯亭 讃岐 中管 釘打 庭筠

 

橫笛事。

橫笛者、大水龍•小水龍、天暦御時寶物也。

 

葉二為高名笛事。

又被命云、葉二者高名橫笛也。號朱雀門之鬼笛是也。淨藏聖人吹笛、深更朱雀門鬼大聲感之、自爾此笛乎給件聖人云々。其後次第傳之在入道殿。後一條院御在位之時、以藏人某召此笛。藏人不知笛名、只はふたまゐらせたまへと申すに、入道殿何事も可承に、齒二こそ得かくまじけれ。若此葉二の笛歟とて、令進給云々。

 

穴貴為高名笛事。

又被命云、穴貴といふ笛は、高名笛也。雖然損失之。式部卿宮吹此笛之時、御衣上雪降懸りけるを、打拂之間折了云々。

 

小螺鈿笛被求出事。

又被命云、小螺鈿高名笛也。一條院御時、此笛失了。仍旁被祈請之間、五七日[月]計御湯殿下に有之、見付之御覽ずるに、空以朽了。仍少々切之。其後尚其音美也云々。

 

博雅三位吹橫笛事。

被談曰、博雅三位橫笛吹くに、鬼瓦垂落つると、被知哉如何。答曰、盧外承知候也。

 

笙。

大蚶界繪 小蚶界[氣]繪 雲和 法花寺 不々替 小笙

 

不々替為高名笙事。

又被命云、不々替是笙名也。唐人買之、千石に買ふと云。伊奈加倍砥云介禮波以為名云々。

 

琵琶。

玄象 牧馬 井手 渭橋一名為堯 木繪 元興寺 小琵琶 無名

 

玄象牧馬本緣事。

予問、玄象•牧馬、元者何時琵琶哉。答云、玄象•牧馬者、延喜聖主御琵琶歟。件御時、琵琶上手玄上といふ者あり云々。予又問云、然者依件名令付歟。被命云、委不覺也。

 

朱雀門鬼盜取玄上事。

玄上、昔失了。不知所在。仍公家為求得件琵琶、被修法二七日之間、從朱雀門樓上頸仁付繩天漸降云々。是則朱雀門鬼盜取也。而依修法之力所顯也云々。

 

井手愛宮傳得事。

井手といふ琵琶、高名者也。延喜孫にて十五宮子に、愛宮（盛明）と申す人の琵琶、傳今在宇治寶藏。渭橋、又高名琵琶也。三條式部卿寶物也。

 

小螺鈿事。

小螺鈿、高倉宮琵琶也。木繪琵琶又有殿下。元興寺一名號切琵琶。后冷泉御寶物也。元は元興寺の財也。而後冷泉院東宮之時、件寺別當充寺修理用途。後朱雀院以納殿金令買之、獻東宮給也云々。今傳在殿下。無名といふ高名琵琶を、上東門院寶物にて令持給之間に、濟政三位の三條亭令御座之間燒亡了と云々。

 

元興寺琵琶事。

元興寺といふ琵琶は、名物也。為修造遣保仲許之間、念珠造盜取切尻了。仍號切琵琶。後冷泉院寶物也。

 

小琵琶事。

小琵琶高名之物也。件琵琶者、音甚細かりれば、大過なりとて、宇治殿當時上手等召集、可鐫腹之由被仰て為恐靈物召有行被卜筮々々可也。

 

博雅三位習琵琶事。

博雅三位、會坂目暗に琵琶習ふ事被知乎如何。答曰、不知。談曰尤有興事也。博雅高名管絃の人にて、いみじく道を重く求むるに、會坂目暗、琵琶最上之由風聞、世上人々雖令請習、更以不得。又住所遠以ところせくて、行向人少々也。博雅先以下人內々にいはするやう、などかくて不思懸所には住するぞ。京都に居て過ぎよかしとすかすに、目暗詠歌曰、

    世中はとてもかくてもぐしてん宮もわらやもはてしなければ

と詠みて不答。使者以此由云に、博雅思樣、此目暗命有旦暮、我も壽知らねども、尚流泉啄木といふ曲は、此目暗のみこそ傳へけれ。相構へて聞彈欲傳之處、三ヶ年間夜々向會坂目暗許、竊立聞宅頭、更以不彈。三年といふ八月十五夜、をろをろ曇りたるに、風少し吹く。博雅思樣、あはれ今夜は有興夜かな。會坂目暗、流泉啄木などは、今夜か彈くれんと思ひて、琵琶譜をして向會坂。如案琵琶を鳴らしむる程、盤涉調に鳴る。博雅聞きて、尤有興、啄木は是盤涉調也。今夜此絃鳴る、定めて欲彈かと思ひて、うれしく思ふ間、目暗獨遣心て、人もなきに詠歌曰、

    逢坂の關のあらしのはしきにしひてぞゐたる世をすぐすとて

と詠みて鳴絃に、博雅頻啼泣す。好道哀れなりと思ふに、目暗獨又云、あはれ有興夜かな。若我ならず、好き者や世間にあらなむ。今夜心得たらん人の來遊せよかし。物語せんといふを聞きて、博雅出音云、博雅こそ參りたれといひければ、目暗云、誰にかおはすると問ふに、然也と答ふ。目暗、昔に聞きけれは、感じて物語して遣心、令傳件曲云々。博雅依不隨身琵琶、只以譜傳請歸云々。諸道之好者、只可如此也。近代作法誠以不可有。さればこそ上手は諸道にあれ、近代に無き事也。誠以て哀れなりと被談に、又問云、件曲近代ありや。被答曰、第一世[也]無雙者、代團亂旋[諚]ぞ第一の曲に用也。傳者少、件人所傳也。

 

和琴。

井上 鈴鹿 朽目 河霧 齋院 宇多法師

 

鈴鹿•河霧事。

和琴は、鈴鹿是累代帝皇渡物也。河霧、故上東門院に渡りて、令持給之時、故大臣殿任右大臣、令初參給、引出物に被獻、仍在殿下。宇多法師、寬平法皇御和琴也。御游之時、先御多良志土召云々。

 

箏。

大螺鈿 小螺鈿 秋風

 

三皷。

黑筒 神明寺號神明黑筒

 

左右大皷分前事。

又被命云、大皷の左右を知る事は、左には鞆繪の數三筋也。又筒も赤く色採也。右は鞆繪の數二筋、又筒も青く色採也。

 

帶。

唐雁 落花形 垂無 鵝形 雲[靈]形 鶴通天 鴦通天

帶は唐雁•落花形共有御堂寶藏。

 

劒。

壺切

 

壺切者為張良劒事。

又被命云、壺切は昔名將劒也。張良劒云々。雄劒といふ僻事也云々。資仲所說也。

 

壺切事。

劒は壺切。但壺切燒亡歟未詳。件劒は累代東宮渡物也。而後三條院東宮之時、廿三年之間、入道殿[道長]不令獻給云々。其故は藤氏腹東宮之寶物なれば、何此東宮可令得給乎云々。仍後三條院被仰之樣、壺切我持無益也。更にほしからずと被仰けり。さて遂に御即位の後こそ被進けれ。是皆古今所傳談也云々。

 

硯。

露 雞冠木

 

高名馬名等。

赤六 穗坂 十七栗毛 戀地 鳥子 尾白 榛原 翡翠 若菜 別栗毛[子] 御坂 近江栗毛 三日月 本白 和琴 宇都濱 穗檀 □□糟毛 鳥形 花形見 野口 宮[言]橋 前黑糟毛 後黑糟毛 望月 宮城 野里 尾花 日差 蝶額[顏] 大甘子 小甘子 白絃 夏[憂]引

 

近衛舍人得名輩。

尾張安居童名安居不改用訓云々 六人部助利 尾張宣時 山廣景 播磨武仲 播磨定正 茨田助平 下野重行 土師武利 清井正武

 

一雙隨身等。

村上御時 兼時 重行 安信 武久[文]

圓融院御時 安近 武文

一條院御時 正道[近] 公忠[文]

後朱雀院御時 近俊 助友

後冷泉院御時 近重 助友

 

隨身者公家寶也[之]事。

故帥大納言常談云、隨身は公家之寶也。三條院御時、正近などが樣者可有難云云。一生之間不負競馬云々。

 

    自餘寶物者註別紙云々。